第5章 ドS彼氏の初デート
…その時だった。
「…ちょっと、よろしいかしら?」
背後から声が聞こえたのだった。
「……っ!?」
何故か背筋がゾッとした私は、一瞬体を強張らせる。
そして、ゆっくりと振り向いた。
「あ、あの……?」
私の背後に立っていたのは3人の女の子だった。
年齢は私と同じくらいだと思う。
「いきなり申し訳ありません。少々お伺いしたいことがありまして」
最初、私に声をかけた上品な言葉遣いの綺麗な子。
「ねー、さっきココに座ってた男いるじゃん?」
さっきまで愁夜くんが座っていた席を指さして、私に問いかける小さな可愛い子。
そして……
「その男ってさぁ、お前の彼氏?」
3人の中心にいる、言葉遣いが少しあらい、リーダー的存在の子。
私はこの3人を知らない。
しかし、この3人は愁夜くんの過去を知るきっかけとなったのだった。