第5章 ドS彼氏の初デート
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「ううぅ……」
私達は映画を見終わった後、近くのカフェに来た。
私はカフェラテを、愁夜くんはキャラメルマキアートを頼んだ。
…愁夜くんは意外と甘いものが好きらしい。
「はぁ…まだ映画のこと引きずってんの?」
「だって!ラスト見たかったんだもん!!
…あーあ、愁夜くんのせいで見れなかった……」
「…別に、もう二度と見れねぇわけじゃねぇんだからいいだろ…?」
「…よくない」
こうやって私達は向かいあって映画の話をしていた。
「…ちなみに、愁夜くんは見てた?」
「あ?見てたわけねぇだろ。
俺はお前の感じてる顔見てたんだから、なぁ…」
「か、感じてなんか……っ!」
私はつい、少し大きめの声を出してしまう。
すると愁夜くんはにやりと口角を上げた。
「お前、何変なこと言ってんの…?
……へ ん た い。……くくっ……」
「……!!しゅ、愁夜くんっ!」
「何?ホントのことだろ?」
「そ、それは愁夜くんが────」
──プルルルルル、プルルルルル
その時、着信音が二人の会話の間に響いた。
私の携帯ではなく、愁夜くんの携帯から鳴っているようだ。
「あ?誰だよ……って悠太しかいねーよな…。
わりぃ、ちょっと出てくるわ」
「うん、大丈夫だよ」
愁夜くんは電話に出ながらお手洗いの方へ向かっていった。