第5章 ドS彼氏の初デート
~デート当日~
「…………」
やばいやばいやばいやばいやばいっ!!
ドキドキがやばいって!!
というか、もう楽しみすぎて30分も前に駅前に来ちゃったよ、私。
服もお気に入りのやつだし、髪型もいつもと違うのにしたんだけど…。
はりきりすぎかなぁ……。
愁夜くんに何か言われたらどうしよう!
はりきり過ぎで馬鹿みたいだ、なんて言われたら──
「よう、美琴。早かったな」
「しゅ、しゅしゅしゅ愁夜くん!」
後ろからいきなり現れた愁夜くん。
めっちゃ驚いた……。…心臓に悪いよ!
「ちょ、驚き過ぎ……。
…てか美琴、お前、そのカッコ……」
「……っ!」
うわっ……な、何言われるんだろ……。
私は胸をドキドキさせ、彼の次の言葉を待った。
「お前……。
…………なんでもねぇ」
「……えぇ!?」
え、なんでもないって……。
なんも感想を持たないような格好ってこと!?
「……いや、なんでもねぇ、じゃねぇんだよな……。
んっと、だから、その……。いつものお前と違うってゆーか……なんとゆーか……」
あれ?なんか愁夜くん、いつもと様子が違う……。
慌ててるっていうか、焦ってるっていうか…。
「お前……いつもより、可愛いんだけど……」
「…………っっ!!?しゅ、愁夜くん……!?」
まさかの言葉に私の顔は一気に赤くなる。
ちらっと彼の顔を見てみると、私ほどじゃないがほんのり頬が赤くなっていた。
「あーもう!……言わせんな……。
……っ…ほら、もう行くぞ!」
恥ずかしくなったのか、愁夜くんは私の手を引っ張ってどんどん歩いていってしまう。
私はそんな愁夜くんの後ろを赤くなった頬を緩ませながらついていく。
……こうやって照れてる彼も、私は大好き。