第47章 恋から愛へ《6》
「では、今日の申し送りをします。503号室の沢田さん……――」
翌朝、主任から、入院患者さん達の状態を聞き逃さないように、耳を集中させ、メモを録る。
「――……以上です。では、今日もよろしくお願いします。」
「「「「よろしくお願いします!」」」」
各自、仕事に取り組み、私は点滴の用意をしていく。
「ねぇ、陽菜。本当に今日無理?彼氏居ても構わないからさ~」
あと一人どうしても捕まらないらしい。
「昨日も言ったでしょ。今日は用事あるって…」
「え~…そこをなんとか!相手側、外資系の人達なの!とびっきり可愛い子連れてくる。って言っちゃったの~!」
「お世辞で可愛いって言っても駄目。先輩達にお願いしなよ…」
「そんな~…」
すがりついてくる同僚に、今日は本当に無理だから、また今度と言って、その場から逃げる。
一昨日の夜に、佐助くんから連絡があったけど、何かわかったのかもしれない……