第10章 槙くんと名前※裏注意
槙「怜…もっと俺を呼んで?」
怜「あっ、あっ!慶太くん!!」
下腹部からの刺激に飲まれながら、私の口は愛を伝える。慶太くんもするりと指を抜き去ると、素早く避妊具をつけて慶太くんを求めているそこへ埋め込んだ。
槙「っ…はぁ…怜、力抜いて…」
怜「あああっ!んっ…」
質量のあるものが私のナカを満たしていく。慶太くんから苦しそうな吐息と私の名前が聞こえる。私は喘ぎ声を上げながら慶太くんに負けないくらい名前を呼ぶ。
槙「怜…好きだ…」
怜「わ、私も!慶太くんが好き!!あっ!!」
最深部まで慶太くんの熱が伝わって、慶太くんはゆっくり律動を始めた。慶太くんは涙でぐしゃぐしゃになった私の顔にキスを落として、もう聞き飽きるほどの名前を呼ぶ。
────怜────
────慶太くん────
その言葉はまるで一種の媚薬のように、私達を身体ごと溶かし、狂わせていく。好きだ、愛してる、それ以上にその言葉は私達の夜には甘い毒だった。
怜「あっ!ああっ!…もう…」
慶太「俺も…限界近い…」
腰の動きが先程より強くなり、私の体にパンとぶつかり合う音が大きく響く。
怜「あっ!!あああっ!!!」
ナカで脈打つ慶太くんの熱が私を高みへ連れていき、私は甲高い声を上げて体を震わせた。
慶太「はっ…くっ…」
私のナカで慶太くんの熱が避妊具越しに伝わった。慶太くんは力が抜けたように私の上に倒れ込んだ。荒くなった息を整えながら私達は再び向き合った。
怜「慶太くん…ありがとう」
自分でも何の感謝かわからない。でも今自分の気持ちを伝えるにはこの言葉が1番しっくりきた。
怜「私を愛してくれて…大切にしてくれて…」
慶太「フッ…俺の方こそありがとう…こんな俺を受け入れてくれて…」
そしてどちらとも無く笑いあった。慶太くん、怜、同時に紡がれたその言葉は、眠りを誘うように優しかった。