第6章 今大路さんとぬいぐるみ※裏注意
怜「あの…峻さん」
峻「あ?」
お互いを求めあったあと、ベッドの上で2人で横になっていた。峻さんが2ラウンド目を始めようとしたのだが、明日は私が早朝から仕事がある、と言ったらなんとか納得してくれた。
怜「あの、もしかしてですけど…ぬいぐるみにヤキモチ妬いてたんですか?」
私が肌身離さず持っていたぬいぐるみを恨めしそうに峻さんは見ていた。峻さんが嫉妬深いということは付き合い始めてから身をもって知った。でもまさかぬいぐるみに嫉妬しているとはかなり意外なのだが…
峻「……悪いかよ」
怜「え?」
素直に嫉妬していた事を認めた峻さんは、やっぱり反らした顔が赤かった。
怜「……ふふふ」
峻「何ニヤけてんだよ、気持ちわりぃ」
怜「だって……ふふ」
こみ上げる嬉しさを隠しきれずに零れてしまう。そんな峻さんが大好きで、愛おしくて…
怜「確かに土方さんも好きですけど、峻さんのことが1番好きですよ…嫉妬する峻さんも含めて好きですから」
峻「……」
峻さんは何も言わず、私の頭をワシャワシャと撫でた。
怜「あ、でも私のことも…オタクの部分も含めて好きになって下さいね」
えへへ、と誤魔化し笑いをしながら言うと、フッ、と鼻で笑った峻さん。
峻「当たり前だ、むしろ2次元なんて興味無くなるくらい愛してやる…」
相変わらず俺様な態度の峻さんに、私はクスリと笑った。
怜(ぶっきらぼうで俺様ででも本当はとっても優しくて…そんな所土方さんと似てるなんて言ったら機嫌悪くなっちゃうかな…)
頭の片隅で2人が少し重なった。でも、峻さんは峻さんだ。私の側で煙草を吸う愛おしい彼は峻さんだけなんだ。
愛してくれてありがとうございます、口にはしなかったけど峻さんの手を絡めた。そっぽを向きながら指を絡めてくれた峻さんの手は大きくて温かかった。そして私たちは幸せなひと時を過ごしながら朝を迎えた。