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Story〜君の隣で同じ景色を見る〜

第21章 ep21 交差






「今日からの合宿、沢山しんどい事もあるけど、インハイ予選絶対優勝するためだから。みんなでチームの底上げできるように、がんばろうね!私も精一杯手伝うから、何かあれば頼ってきてほしい。宜しくお願いします!」



そう言って頭を下げた。





そして一瞬の静寂の後、




「よ、宜しくお願いします!」


顔を赤らめた下級生が続いて頭を下げる。




なんだなんだと、他のチームは見ているが、及川はふっと笑った。




(やっぱ俺の彼女、最高だな)





そして、その後で同期のチームメイトは同時に


(まじで及川には勿体ない・・・)


そう思った。







ーーー・・・






合宿一日目は滞りなく終了した。


「お疲れ様、みんなは一回セミナーハウスに荷物預けて、それから食堂でご飯の予定ね」


うぃーすと言う返事を背中で聞きながら、りこはボトルのカゴを片手に洗い場へ行く。




「お疲れ様です、りこさん」

「あ、金田一、お疲れ様。どうだった?今日の出来は」


洗い場でボトルの中のスポーツドリンクを流していると、金田一がやって来た。


「うーん、何かイマイチだったっす。いつもやってる体育館と違って見づらくて、こんなん言い訳なんすけど」


「あーわかるっ、会場とか変わると一気にプレーの感覚狂う時あるもん!そうだよねぇ、難しいよね。でも、そういう時は、練習前にコートの色んな所に立ってプレーのシュミレーションしていくのもいいね。早く会場に慣れることが大事だと思うよ。及川くんとか、結構練習前に天井とか会場全体を見回してるの、場慣れするためだし、参考にしてみるといいね」


ボトルの中身を捨てることを止めずに、りこは言葉を発する。


プレーしていた人間にしか分からない感覚を汲み取り、それでいてアドバイスをくれるりこに、金田一は驚きつつも入学当初から安心と信頼感を寄せていた。


「やっぱりこさんすごいっす・・・」

「何言ってるの。金田一には良くなってもらいたいからね。その身長とパワーで、明日からはバシバシ打ってこ決めてこ!」


「うっす!あざっす!」




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