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Story〜君の隣で同じ景色を見る〜

第34章 ep34 君の隣で同じ景色を見る





慣れ親しんだのこの町を一望できる場所、



そして・・・




「ここ・・・ここには、色んな思い出がある・・・」



「そうだね・・・練習で疲れてんのに、ここ降りるの超辛かった」



「次の日がオフの日は、2人とも気分が上がって、"グリコ"しながら帰ったよね」


「うん、りこがそれで足踏み外して擦りむいたよね」




その他にも、進路の話をしながら帰ったり・・・




春高予選、烏野に敗れた日の帰りも・・・



隣で号泣する、りこと一緒に、ここの景色を見た。






「付き合ってほしいって言ったのも、ここだった」



ここで、初めて恋人になれた。



全部。


ここから始まったんだ



ここで、同じ景色を見ていたーーー・・・










人は、限られた時間の中で、


夢を追いかけている時が一番輝いていると思う。



及川にとって、それはバレーボールで、より高みへと、頂点まで目指したいって言う夢・・・



りこにとっては、バレーボールを通して、夢を追いかける楽しさを教えていきたいと言う夢・・・



お互いに描く夢は違うけれど、


夢を追いかける時、叶えた時、




それぞれ、浮かべる顔はきっと、
何にも負けない笑顔なんだろう

その笑顔を2人が浮かべられた時に、


もう一度、同じ景色が見られるんじゃないだろうか・・・






及川はそんな事を考えた。




だから、言った。








「りこ・・・・・・」



彼女が、出会った頃よりもずっと美しい顔でこちらを見る。






「ちゃんと・・・ここに帰ってこよう。お互いの夢を叶えて。そしてその時は・・・・・・俺たちで新しい夢を見つけよう、一緒に」





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