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Story〜君の隣で同じ景色を見る〜

第33章 ep33 信頼






「今日、猛のバレー教室の付き添いに行った帰り、中学の後輩の、ほら、烏野の飛雄に会った。そこであいつ、俺にバレーの話で相談してきたんだ。

あいつの相方のすっごく飛ぶチビちゃんが、大会前に自分の意思で速攻を打ちたいと言ってきたって。でもあいつは、チビちゃんが技術が無いことを言い訳に、それをやるかやらないか、迷ってるみたいだった。俺は飛雄に・・・・・・こう言ったんだ。




"現状がベストだと思い込んで守りに入るのは、随分ビビリだね"って。



でも、それが今の俺に、そっくりそのまま当てはまってるって気づいたんだ」



「・・・・・・・・・・・・」



りこは何も喋らない、静かに聞いていた。




「俺はりこが、手の届く範囲にいてくれる事がベストだと思ってた。でも、りこが進路先を大阪にするって聞いて、正直に嫌だと思った。今、俺を想ってくれているりこの気持ちが、距離のせいで薄れていくんじゃないかって、恐かったんだ
だから、今と何も変わらず、このままがいいって思って、俺も大阪に行くなんて、軽はずみな事を言った。りこの気持ちを、何も組んでなかった・・・・・・これが謝りたいこと、その1」




「・・・その1?」


「うん。もう一つ、謝らなくちゃいけない事、わかったんだ。

りこ・・・・・・・・・覚えてるかな?


その、俺が初めてお前と、・・・お前を抱いた日、俺、言ったんだ。







俺が、どうしてお前と付き合っても好きだとか、愛してるとか言わなかった理由・・・




りこの心の整理、前の男の事が全部過去の話になって、俺を見てくれるまで、俺を信じてくれるまで・・・・・・俺は待ってたって」






だから、岩泉に伝言を残したんだろう。



この言葉で、思い出して欲しいって・・・




「りこは、離れた所ででも俺は夢を叶えるために頑張れる、離れてても、りこの事を想っていけるって、信じてくれてた。・・・りこ自身も、離れても俺を想っていけるって覚悟を決めて、大阪へ行くことを決心したんだと思う。離れても・・・お互いの気持ちは変わらないって。


りこは真っ直ぐだから・・・バレーにも、恋愛にも・・・・・・」
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