第1章 ep1 追憶
俺は小学校の頃から、それをやってきた。
人が触れたボールを繋いで、繋いで、繋いでいくバレーボール
下手くそだったけど、少しずつ出来ることが増えて上達して行った。
ふと、練習している最中、隣の女子のコートを見ると、いつも君は、誰よりも輝いていた。
"徹くんっ!"
綺麗なスパイクフォーム、キレのあるスパイク、何よりも、決めた時の笑顔が、いつも人を惹き付けた。
俺の心を掴んで離さなかった。
"徹くん、私ね、中学は県外へ行くって決めたよ!もっともっと強い所で、バレーがしたいから"
そう言って、
君は籠の中から飛び出して行った。
俺の心を、
あの日の君が攫っていったままーーー・・・・・・