第6章 *差し込むヒカリ*
「国民はその場で俺を認めるって言ってくれたけど、近隣諸国には手紙を出したって言ったでしょ?」
「うん」
「その返事がもう全部帰ってきてるんだけど、書かれてあることが同じなんだ」
「どういうこと…?」
「庶民でも立派に国を治めていけるのはウィスタリアのプリンセスが証明してくれてるから心配はしていない。これからも交流を続けて行きたい、って」
だから、ユイのお陰だよ。ありがとう
ルイの言葉に目頭が熱くなって、私はルイに抱きついた。
「そんなこと、ないよ。ルイのしてきたことが報われたの。おめでとう、ルイ」
「うん、ありがとう」
優しく抱きしめ返してくれる手が愛おしくて堪らない。
「ねえ、ユイ。これからも俺の傍に居て?絶対に守るから。俺を信じて」
「…っ…う…ん…」
あんなに悩んでいたはずなのに、悩み抜いてウィスタリアを出て行くと決めたはずなのに、気が付けばそう返事をしていた。
「ありがとう。体の震えも止まってるみたい…良かった」
「あ…本当だ…」
前は触れるだけでも震えが止まらなかったのに、今は抱きついていても平気だ。
「それじゃあ…」
「きゃっ…」
ルイが私を横抱きにしてベットまで運んでいく。
そして、ベットの上で優しく私を組み敷いた。
「ユイの事、奪ってもいい?」