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【イケメン王宮】氷の魔法にかけられて

第2章 *始まりの鐘*


〜ユイside〜


「行こう、ユイ」


「うん…」


白くて、優しくて、でもやっぱり男の人なんだなと感じさせる力強い手が私を馬車の中まで引き入れてくれる。


ルイと隣り合わせに座り、馬車が動き出した時私は先程のことを思い出していた。


時は数時間前に遡る────


*。°○.:+**。°○.:+**。°○.:+**。°○.:+**。°○.:+*


「ダンスパーティー…ですか?」


ジルに呼び出された私とルイはジルから数日後に行われるダンスパーティーについての話を聞かされた。


「ええ。以前晩餐会でお邪魔したデュレー大公からのお誘いです。是非ルイ様といらして下さい、との事でした」


「そうですか…またデュレー大公とお会い出来るのは嬉しいです」


すると、それまで口を閉ざしていたルイがおもむろに口を開いた。


「ジル…その舞踏会、俺"が"一緒に来るようにって招待状に書かれてたの?」


「ええ、そうです」


ジルが妖麗な笑みを浮かべたと同時にルイが静かに呟いた。


「俺が時期国王になるって宣言してから、初めてユイと一緒に立つ公の場だ」


「えっ……」


その一言に、私は微かに緊張を覚える。


ルイが次期国王になると宣言したのは1ヶ月ほど前。
それぞれの公務として私はサロンに行くことがあったけど、ルイと2人で舞踏会や晩餐会には参加していなかった。


「デュレー大公は以前の貴方の振る舞いを見ていますからそんなつもりはないと思いますが……他の参加者からすると、貴方とルイ様の品定め、ということになってしまいますね」


大勢の人が訪れる舞踏会……


沢山の人が
私が王妃に相応しいのか
ルイが国王に相応しいのか


見定めている…


そう思うと今から緊張してしまった。
少し顔を強張らせた私にルイが優しく微笑む。


「大丈夫…ユイには俺がついてる。それに…
俺にはユイがついてるから」


「……っ…うんっ…」


(そうだ…ルイが次期国王に相応しいのは私が一番よく知ってる。私がプリンセスとしてやって来たことはルイが知ってる)


「では、こちらの招待状はお受けするということでよろしいですね?」


「はいっ!」





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