第2章 風の季節
和『潤、雅~ こっち合格もらったよ? そっちはどう?』
雅『それが急に先方のお偉いさんの一人が渋り出しててさ…… 』
潤『まぁでもあそこは譲れないからな。 まだ強気で行きますよ…』
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ここは、アメリカの田舎街。 兄弟3人が親に連れられ来たのはもう20年も前…。長男の雅紀が5歳、和也4歳、潤が3歳だった頃だった。
父『おまえたちは将来何になりたいんだ?』
ソファーの真ん中に座る父を挟むように下の二人はまだ父に甘えていると父がたずねる。
和『ボクは飛行機のパイロットだよ。』
雅『ボクと潤の二人で設計士になるんだ。』
潤『うん! ボクたちが作った飛行機を和也が操縦して世界中を回るんだよ。』
父『そうかそうか。 3人とも大きな夢だな。
すごいぞ。さすがはオレの息子だな。』
そう言ってみんなで語りあっては笑いあっていたんだ。