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【DMC】ダンテ夢短編集

第9章 散歩



「これなら大丈夫だ」

ぎゅっとを抱きしめる。ふわりと舞った匂いに俺は目を閉じた。

「はっ恥ずかしいよ…」

「誰もいねえよ」

二人だけの空間。
冷たい風がそよぐが、二人の体温までは奪えず。
もっとに近づきたくて、俺はの肩に顔をのせた。

小さくて不安定な肩。
も身体を預けてきて、二人は互いの温かさを感じる。


幸せすぎてため息が出る。
全く、いい場所を見つけたもんだ。とびっきりのデート場所じゃねえか。

ふと気付けば、すぐ隣にの首筋。

「………」

俺はまた意地悪顔になった。

「あったけえか?」

わざとの耳元で囁く。
白い肌がぴくりと揺れて、息を飲んだのがわかった。

顔を落とせば、そこはもう首筋で。
俺はたまらず唇を当てた。

「だ…っダンテ…!」

慌てたようなの声に更に悪戯心をくすぐられる。
何度か口付けを落とすと、舌先で触れた。

「や…こんなとこでやめてよ…!」

ぱっと振り返ると、すぐそこは当然俺の顔で。

――待ってたぜ。

俺はすかさず、の唇に自分のそれを重ねた。
一瞬。ほんの一瞬触れて、1秒だけ触れて、離す。
にやりと笑うと。

「もーらい」

「…っもう!」

何だか引っ掛けられた気がするのか、はぷいっと前を向いた。俺はその背中にくっつく。

「たまにはいいだろ」

「どこがたまによ。いつもでしょ!」

くっと笑い、俺はの頭を撫でた。
髪に口付ける。

もう既にの身体は温まり、二人の熱も上がって。
それから二人は、暇があるとその場所へ行くようになった。







2006/11/19
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