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【DMC】ダンテ夢短編集

第2章 Red Angry



「一応聞くけど何やられた?」

静かに聞かれた。
は遠慮がちに答える。

「んと…おしり、触られて……あの、 押し付けられた………かな」

どこを、なんて聞かなくてもわかった。さっきの光景を見た瞬間にわかっていた。
胸くそ悪い。

「……あいつ、殺してくる」

「ええっやめてよ!私大丈夫だから!」

「嫌だ。気が済まねえ」

頑とした声に、ぎゅっとは腕に力を込めた。

「ホントに、大丈夫だから…側にいて」

「………」

他の男が、皆怖く思える。
ダンテの側だけが、安心できる。

ダンテも強く、その小さな身体をを抱き締めた。
恐怖と不安を温かさで溶かすように。自分の不甲斐なさを紛らわし、を安心させるように。

―――離れなきゃよかったぜ…

そう思っても後の祭。の心に傷をつけてしまった事に変わりは無い。

―――…畜生。

悔しい。
悔しくて仕方ない。

「本当に、大丈夫か?」

「うん。これっくらい何ともないよ」

―――そうか?本当にそうなのか?
俺には強がってるようにしか聞こえねえけどな。

しかしの気持ちを考えるとそれ以上は何も言えず。ただ、ダンテはを抱きしめるしかなかった。


は、俺から見たらもちろん可愛い。可愛いすぎて、閉じ込めたくなるくらいだ。
その魅力が自分だけに向いているのではないと気付いた日。
そして、やっぱりは目を離せないと、ダンテが再認識した日だった。







2006/11/20
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