第3章 土御門と倉橋
翌朝。
千音は自らの体にかかる重みで目が覚めた。
(ん…?なんか重い気が…)
ゆっくりと目を開けると、なんとそこには…。
「!?」
サラサラとした黄金色の髪、整った顔立ちの成人男性らしき…
(って何で!?いつの間にこの人入り込んできてたの!?てか誰!?)
身動ぎせず固まっていると、謎の男は顔を顰めたかと思えばゆっくりと目を開けた。
「…お前誰だ」
「こっちのセリフだわ阿呆」
「誰が阿呆だ」
「お前が阿呆だ。名を名乗れ」
「まずは自分から名乗るのが礼儀だろ無礼者」
ベッドに寝転んで向かい合ったままそんなやり取りをしていれば時間は過ぎてゆき。ふと時計をみて千音は顔を青ざめさせた。
「ヤバ!!学校遅刻しちゃう!」
「あ、おい!」
慌ててベッドから出て制服に着替えようとするが、背後にいる存在に手を止める。
「ええっと…、貴方の事は帰ってきてから少し話し合いたいから今日はこの家で待っててください。それと私は土御門千音。よろしく」
「土御門…?」
「それじゃ、また後で」
そう言い残して千音は部屋をでてリビングへ行き、今度こそ着替えて簡単な朝食を済ませて学校へ登校した。