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君想ふ

第3章 土御門と倉橋


無事に授業が終わり、漸く下校時刻になった。
部活へ行く者、ただ駄弁る者、そしてさっさと帰っていく者と様々だ。
(小狐の事も心配だし、今日は早く帰ろう…)
いそいそと帰り支度を済ませ教室を出ようとした時、背後から呼び止められる。
「千音!久しぶりに一緒に帰ろ?」
「あー…、ごめん。今日は予定があるから早く帰らないとなの」
香純だ。彼女の誘いを苦笑しながらやんわり断ると、一瞬表情が消えた。
(香純…?)
「そっか、先約があるなら仕方ないよね。それじゃまた明日ね!」
「うん。また明日」
今度こそ私は教室を出て家路を急ぐ。背後で向けられた黒い眼差しに気付かずに。

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