第9章 留守番
ダンテは思わず足を止めた。が持っているカゴの中を見る。
目に入るのは、イチゴにアイス、チョコ、生クリーム…
「──悪い…」
ダンテは急に罪悪感を感じた。
自分のために、は来てくれていたのだ。どうして後をつけていた時に気付かなかったのだろう。
はしゅんとうなだれていて。
「私も…ごめんなさい」
「いや。俺が悪い。……悪かったな、…俺のために来てくれてたってのに」
ぎゅっとを抱きしめる。
その小さい身体を、壊れないように優しく包む。
「ありがとな」
「…はい」
優しくささやくと、は泣きそうになりながらもやっと微笑んだ。
「私も、今度から気を付けます」
「あぁ、是非そうしてくれ。あんな風にと他の男が仲良くしてるなんざ、我慢ならねぇからな」
「はい。……それと、おかえりなさい」
ダンテはちょっと目を見張った後、幸せそうに微笑んだ。
「───ただいま」
その夜のデザートはもちろんストロベリーサンデー。
バージルは食べられない事もあって席を外し、ダンテとは二人でパフェを食べさせあっていた。
そのパフェは、ダンテが今まで食べたどのパフェよりも、極上に美味しかったという。
「これなら毎日食べても飽きねえぜ」
「ホントですか!? 嬉しいです! 初めて作ったので不安だったんですけど…」
「美味いよ。みたいにな」
「………!」
それを聞いたは、かあっと熱くなった。
「…知りません!」
ダンテは笑って、の頭をなでた。途端は嬉しそうな顔をする。
まるで猫が甘えているみたいだ。
いつか本当にを頂きたいものだと、ダンテは思った。