第5章 〒 体育祭。
「あのさ、◯◯は、携帯持ってんの?」
「うん。持ってるよ?」
「じゃあ、アド教えてくんね?」
「えっ?」
「い、いや。何かと便利かな…と、思って。」
堺がとっさに目を逸らし、俯く。
「いいよ。アドレスは…」
ドキドキしながら、メモに私のアドを書く。
「はい、どうぞ。メールしてね!」
「あ、ありがとっ。てっ、てか、勘違いとかすんなよ?便利だと思っただけだしっ…。」
「別に勘違いなんか、してないよ!」
違う。
「そっちこそ、変な事考えすぎっ!」
違う。違うから。こんな事が言いたいんじゃない。