第5章 第三次忍界大戦
「へー、これが写輪眼か、待つ手間が省けて研究者どもは万々歳だな。」
「油断はするな。写輪眼が開眼したということは多少レベルアップしたと思っていい」
「つってもガキだろ?」
男たちは私を見て、そんな会話をしている。相手の様子を見る限り、私は写輪眼を開眼したのだろう。
写輪眼...?開眼したのか...イタチよりも先に開眼するとは思わなかったな。
敵の忍はしばらく仲間同士で話したあと、私に向かって、また、クナイと手裏剣を一斉に投げてきた。
それを全て交わし、一人に攻撃を仕掛ける。
後ろから二人の気配を感じる。攻撃してくる!というところで、私は瞬身でその二人の後ろに回り込み影分身を出したあと手刀で沈めた。
「くっ!」
「ガキに俺らが半分以上もやられるとはな」
『殺してはいませんよ。』
「甘いやつだ。」
私は無表情でそう言った。
だが、内心では、
ヤバイ。確かに写輪眼のおかげで相手の攻撃は見易くなったけど、体力やチャクラが戻るわけではない。
むしろ写輪眼を出したままだと今の私では体力消耗が激しいだろう。
と、少し焦っていた。
「そろそろケリをつけさせてもらおうか。」
敵の中の一人がそう言って、クナイを構えた。
『っ...!』
どうする。どうする。ダメだ、どうやっても突破口が見つからない。このまま、私は連れていかれるのか、他里で実験体にされて、一生を終えるのか、
唇を噛み締め、敵の方を睨む。
「そんなに睨むな。もし、お前を実験体として捕まえたら、弟も同じように捕まえてお前の元へ送ってやる。」
私はその言葉に意図なく体がピクリと反応した。
「弟と相当仲いいんだろ?同じとこに送ってやる。そうすれば、お前は弟といれる。俺たちは実験体が二体に増える。」
ああ、ダメだ。
私が捕まってしまったら、やはり、こいつらは、イタチも捕まえに行ってしまう。
私がここで逃げたら、こいつらは、私を追うだろう。
そこで、イタチに標的を変えるかもしれない。
どちらにしろ、イタチに危険が及ぶ。
こいつらは.......
ここで....
『始末しなくちゃ..』