第4章 幸せな日常
しばらく歩き、なぜか私たちは森の中に入っていった。
一体どこに行くのかわからないが、とりあえずずっとミナトさんたちの後ろをついていった。
森の中ということで、鳥やリス、狐や狸までちらほら見える。
あー、戯れたいなー、
そう思いながら今さっき私の視界の端を横切った狐を目でおっていると、
「ふぅー!やっとついたってばね!」
クシナさんの元気な声が響き渡った。
どこについたのかと、前を見てみると、
『......綺麗』
そこは、木が真ん中に一本だけ植えられてある、広場?のようなところだった。
周りは色々な種類の花が咲いていて、綺麗な模様の羽をもつ蝶々がたくさん飛び回っている。奥には小さな泉があって、キラキラと太陽の光をうつしだしていた。
「...すごい、」
イタチも目を見開き、歓待の声をもらす。
そんな私たちの様子をみて、ミナトとクシナは顔を見合わせて微笑み合った。
『ミナトさん、クシナさん、ここは?』
「いいところでしょ?昔、私が他里の忍に拐われたときミナトが助けてくれたことがあったの、」
「そのときに偶然見つけたんだよ。」
「なんで俺達をここに?」
「うーん、二人の事を俺達は自分の子供のように大切に思ってるんだよ。だからかな?」
ミナトさんの言葉を聞いて、私たちは目を見開いた。それとともに嬉しくも思った。
ミナトさんたち、そんなこと思ってたんだ。
私は気づかないうちに、頬が緩んでいた。
『っ~~!イタチ!いこっ!』
「え?うわっ!」
私は嬉しさからテンションが上がって、イタチの手を引いて、走り出した。
「姉さん!早い!」
イタチの声を聞きながらも、私は走るスピードを緩めなかった。だってイタチも笑ってるんだもん。
二人で草を踏みしめ、両手を握ってくるくると回りながらキャッキャッと遊んでいた。
そんな私たちを優しく見つめながらミナトとクシナは真ん中にある大きな木の根元に荷物を置き、腰を下ろした。