第12章 木ノ葉へ
『いつもイタチがお世話になってます』
しばらく二人だけの世界に入っていた私達だったが、他にも人がいることに気づき、私はイタチに抱き締められたまま、そう言った。
「誰だお前は」
最初に警戒したように殺気を放ちながら言ったのはサソリだ。
サソリのその言葉に、全員が警戒して戦闘体勢に入った。
『私はイタチの「姉だ」ちょっと、私のセリフ取らないでよ、』
最後まで言い切る前に、イタチにセリフを取られてしまった。
イタチの腕の力を少し緩めて、暁のメンバーを正面から見る。
前からダメなら後ろからだ、と言わんばかりに私を後ろから抱き締めて、肩に額をグリグリ当てているイタチの頭を撫でながら笑顔を向けた。
見たところ..メンバーはペインとトビとゼツ以外はいるようだ。
「ですが..うちは一族は滅びたと...」
『それは...色々な事情があるんですよ』
鬼鮫さんの言葉に目をそらして答えた。
『とりあえず、私は怪しい者ではありませんよ?貴方達に危害を加える気はありません』
「信じてもいいんじゃないかしら?」
高めの声が響いた。
何も言わずに事の成りゆきを見守っていた小南が言葉を発したのだ。
「けど、本当にいいのか?うん」
「イタチの姉ってのは本当なのかよ」
「恐らく、それは本当だろう..ただ、俺達に危害を加えない、というのは信用に欠ける」
小南ちゃんの言葉に上からデイダラ、飛段、角都が意見を述べる。
「信じても、大丈夫なんでしょ?イタチ」
「ああ...姉さんは俺がここにいる限り、絶対に手は出さない」
『失礼だな...イタチがいてもいなくても手なんて出さない』
「イタチが裏切り者の可能性は?」
「それはないでしょう。裏切り者なら、自分の大切な人を敵に教えるようなヘマはしないでしょうから..」
「その通りだ」
『イタチ、額が赤くなるよ、離れないの?』
「離れたくない」
可愛い.....