第10章 暗い月夜
『.....』
「..す、すまん」
ただいまシスイに説教中です。
現在私は正座をしているシスイの目の前に仁王立ちしている。
『...約束、守ってくれる気なかったんだね』
「いや、そういうわけではないんだ!ただ、あれが一番の最善策だと『何で』?」
『...何で、私を頼ってくれなかったの』
「.....」
『私だったら、暗部と対等に渡り合えるし、治療だってできる..どうして?』
「.....」
そこまで言うと私はシスイの前にしゃがみこんで、私の方を見ようとしないシスイを見つめる。
「...恐かったんだ」
『...え?』
「...お前が傷つくのが..お前を失うのが」
『...』
イタチのような事を言うシスイを見て、似ているなと感じる。
「...お前は、俺が頼れば喜んで力を貸してくれるし命がけで俺を守ろうとするだろう」
当たり前だ、シスイの、最も信頼している友人の頼みを嫌だとは思わないし、もし死にかけているのなら命がけで助ける...
「...俺は、お前に..いや、お前達に、死んでほしくない」
お前達、とは、イタチと、サスケの事も入っているのだろう。
「...お前に、あの作戦を言ってしまえば、少なからず危険に晒してしまうと『バカ』え、」
シスイの頬を軽く叩きながら言った。
『...何勝手なこと言ってるの、そんな無駄な事考えなくていい、っていうかイタチはいいのか..!』
「無駄な事って..それとこれとはーー」
『私も...シスイに死んでほしくない』
「!、」
『...死んでほしくないと思ったから、助けたの』
ソッとシスイの右手に触れ、両手で包み込むようにして握った。
『...あの時、私が助けなかったら、貴方は百%死んでいた..この意味、分かるよね』
「!...お前がいた世界の本では、俺はあの時死ぬはずだった..と、」
『...私が知っている未来とは少し変わってしまったかもしれない、それでも..私は後悔していない』
「...」
『...シスイ、』
「何だ?」
『.....生きて』
今度こそ、私との約束を...
「ああ、お前に救われた命だ...お前を支えるために使う..側に、いさせてくれ」