第9章 中忍と暗部
シスイと話をしてから数日、これからの動きは大分固まってきた。
今はイタチを探しているところだ。
任務から帰ってきてすぐにイタチは出掛けてしまった。それを追ってきたのだ。
何となく、一人にしたくなかったから...
ついこの間、暗部に与えられたビルの地下にある窓のない部屋、そこでうちは一族の監視がされていたのを見た。
イタチは、それに大きなショックを受けていた。
まあ、私も例外ではないが...
その時に、オビトさんの姿も見つけて考え込んでしまっているのだろう。
うちはの暴走は私には止められない...
そうなると、残された選択肢は一つしかない
私は、最もな理由をつけ、原作が壊れることを恐れて、今、目の前にある命を見殺しにしようとしているのではないか?
そんな考えが頭から拭いきれない。
ああ、嫌だ。
こんなことを考える自分が...
「ええ!?」
大きな声が聞こえた。
声の方へ行ってみると、
『あ、いた...って、なんで?』
イタチがいた。そして、その横には
「ん?姉さん?」
「あ!!!姉ちゃん!!」
「え?」
『ナルト...』
ナルトの姿もあった。
ナルトは私の姿を見つけると、大声で姉ちゃん!!と叫びながら走ってきて、その勢いを殺さずに飛び付いてきた。
『っ、おっと、』
「姉ちゃん!!!久しぶりだってばよ!!」
『フフっ、久しぶり、ナルト...元気にしてた?』
「おう!」
何故、私たちが顔見知りなのかというと...
ちょくちょく顔を見に行っていたからだ。
あの、九尾事件の日、ミナトさんと、クシナさんが最後に言った言葉、
“私たちの子供をお願い”
その言葉を守らないわけにはいかない。
できるだけ、会いに行っていたのだ。ナルトが抱える、悲しみや、苦しみを少しでも和らげようと...
最初は、ミナトさんと、クシナさんからの頼みだったからだが、元気がなくなるとナルトの所へ行くことが多くなった。
つまり、ナルトは、イタチやサスケと同じで、私にとっての太陽のような存在になっていた。