第9章 中忍と暗部
「はっ!」
「っ!!」
私達は今、組手中だ..あれから一年私とイタチは9歳になっていた。
この一年で、テンマとシンコが忍をやめた。
シンコはともかく、あんなに私達に張り合っていたテンマまでやめるのは予想外で、聞いたときは大分驚いた。
テンマは面の男と自分の力量の差に心が折れたと言っていたが、シンコからこっそり聞き出した情報によれば、私が目の前で殺されそうになったときに何もできなかった自分に失望したらしい、
イタチは、あの事がきっかけでもっと強くなろうとしている。
だが、テンマは仲間を失う恐怖に勝てず、忍をやめてしまった。
人間という生き物は、本当に面白い。
そう考えていると、ドサッという音がして、イタチがシスイに倒され、クナイを突きつけられていた。
「勝負あり、だな!」
「...ああ、」
シスイは立ち上がると、イタチに手を差し出した。
イタチは、その手を取ると、悔しそうな顔をしながら戻ってきた。
『お疲れ、二人とも、今のでシスイが..六勝目かな』
「ああ、..次は俺とツバキだな、」
『うん、』
普通の下忍はしないような苛烈な組手を、私達はかれこれ三時間ほど続けている。
休憩は決着がついた後の三分ほど、今の戦績は私とイタチが三勝ずつだ。
私とイタチは実力がほとんど変わらないため長引いて引き分けのようになってしまうことが多々あるが、シスイとは、勝てたり勝てなかったりする。
こういうギリギリの争いはすごく楽しい、自分の身になっていることがわかる、
最近はテンマとシンコの代わりに入ったアカデミー卒業生に合わせてランクの低い任務しかしていなかったため鬱憤晴らしもかねている。
「よし、やるか!ツバキ」
『!、うん!』
そう言って、私はシスイの後を追いかけて、広場のような場所へ走っていった。