第8章 下忍
「卒業生代表 うちはイタチ」
淡々と卒業生代表の挨拶を行っていた弟を私は笑顔で見守っていた。
イタチがアカデミーに入って1年で卒業し、下忍になるのは知っていた。
だけど、自分までもがそうなるとは思っていなかった。
最初はイタチだけ早くに卒業する予定だったのだが、途中で私も去年の卒業試験でもある分身の術はおろか影分身の術も使えることをイタチが先生に言ったらしく、一緒に卒業することになったのだ。
私とイタチの成績は同率一位。ちゃんと授業を受けずに写輪眼と、万華鏡写輪眼の練習を人目のつかないところでしていたためちゃんと単位を取れていなかった。
写輪眼には膨大な量のチャクラを使う、そのため分身の術を使わずに、アカデミーを無断欠席していた。
それでも、実技もテストも一位だったから何も言われなかった。
そのため、卒業生代表挨拶はイタチがすることになった。
ちなみに、父さんや母さんにはだいぶ叱られたけど無視していかなかった。
イタチが私の隣の席に戻ってくる。
『お疲れ様』
「...」
黙ったまま、席に着き、私の顔を見て少し安心したように寄りかかってくる。
なんだか少し疲れているようだ。
まあ、無理もない。入学して1年で卒業したイタチにはたくさんの好奇な目が向けられていただろう。
しかも、私達はうちは一族だ。里でのうちはの迫害は今や誰もが..小さい子供ですら感じ取れるほどのものになっている。
私はイタチの頭を優しく撫でて、横を見た。
先生の中には私達をあまり良く思っていない人もいる。実際今、私達を険しい表情で見てる先生もいる。
その先生を、少し殺気のこもった目で見ると、ふいっと、顔をそらした。
こーゆー人がいるのも学校に行きたくない要因の一つだったんだよね。
もう、ほんとに...
なんでイルカ先生いないんだろう。