第5章 短冊に込めた願い~政宗編~
それから数日後。
結唯の誕生日祝いも兼ねた七夕の宴が青葉城で開かれた。
「結唯ー♡じいじきたぞー!」
結唯の待つ広間に入った途端、信長の顔が下へ下へと下がり声もいつもより猫なで声になり、第六天魔王と呼ばれるのが真かと思う程。
「じーじ様ー!」
結唯も信長に飛びつき、その日の昼にたくさん遊んでもらった結唯は早々と夢の世界へ。
まだ産まれて数回しか会ってない宗唯は盛大に人見知りで大泣き。
「政宗ー!こいつなんとかしろ!」
秀吉が無く宗唯をあやすも効果なく・・・。
「あー多分腹減ったんだろうなー。」
「歌恋-、宗唯が腹すかしてるみたいだぞ!」
「よーしよし、あっちの部屋へ言ってお乳飲んでこようね!」
(歌恋がお乳挙げる・・・。ちょっと見たい!)
と心の中で思ったのは政宗以外の武将達・・・
そして、しばらくすると歌恋の腕の中で眠る宗唯と皆の元へ戻ってきた。
「結唯のお願いは妹が欲しいか・・・」
「どうなんだ?」
この時はまだ気づかないが、結唯のお願いはちゃんと叶えてもらうことができ、一年後の七夕の日。
歌恋の腕の中には産まれて間もない女の子の赤ちゃんと、政宗に抱かれてすやすや眠る男の子の赤ちゃんの姿。
まさかの双子を授かり、結唯はもちろん喜んだ。
「きっと、あの時の子どもだな!俺は娘のお願いは叶えてやるいい父親だろ?」
隣りに座る妻の歌恋に、向かってニヤリと笑って話す。
「ふふ、そうだね。でもまさか双子なんてね…」
「でも、私もお願い叶ったんだよ!」
【政宗にいつまでまでもたくさん愛されますように】って。
子ども達がいる前でも、熱々な二人だった。
政宗編~終~