第19章 ~淡き恋心とFaint memory~【徳川家康生誕祭】
「ただいま戻りました。」
「戻りました。」
「此度の家康との二人で過ごすことをお許し頂きありがとうございました。御礼が遅くなった事をお許しください。」
安土城大広間。
翌日夕方には安土城に戻り、夕餉の前に二人で戻った事の挨拶へといった。
「構わぬ。若い二人でゆっくりと家康の生まれた日を祝えたか?」
「お陰様で、ゆっくりとさせて頂きました。」
その日の夕餉は全員でとる事に。
「おっ、歌恋?お前女の顔になったな。家康にようやく女にしてもらえたか?くくっ」
「えっ、べ、別に……」」
「光秀さん……あんまり歌恋からかわないで下さい。」
「信長様?」
「ん、どうした。」
「よかったですね。あの二人。」
「あぁ。そうだな…」
波夢に酒を注がれ、一息にそれを飲み干した。
さすが、俺の妻だけあって俺の複雑な心中を察して何も余計な事は言わずただ傍にいて、酒を注ぐ。
叶わんな…。
今夜は思い切り抱くとするか……
彼奴らに子を先越されてはたまらたいからな。
「波夢。」
「はい?」
「今宵は覚悟しておけ。」
「えっ……」
「彼奴らに子を先越されないようにせんとな……」
「……っはい……。」
赤くなるとは可愛いやつ目な。
本当に愛おしい。
家康。
俺の大事な妹だ。覚悟しておけよ?
「貴様ら、おれと波夢は先にいく。ゆっくりと食事をしておけ。」
『かしこまりました。』
「いくぞ、波夢」
「はい。」
家康を含めた武将達はその時、信長が歌恋を抱くことは用意に予想することができ……
「歌恋、今夜俺の部屋にきて。」
「えっ……」
(あの人、俺に子ども先越されないようにって思ったんだろうけど。なら俺も負けないよ。)
そんな事を思ってるとはつゆ知らず……
二組は盛大に甘い夜を過ごした。