第3章 いきなりの死亡フラグ
うおおお!!
私、ミア・リリアンヌは伯爵令嬢である。
私は今、走っている。
そう、死亡フラグの元凶が、私のもとにやってきているのだ。
グリフィスト・レオポルトがこちらに来るそうだ。
なんとしても、それだけは回避したかった
「あら、ミアお嬢様。どうなさいまし……」
「ミシェ!!」
目の前に、とても頼りになるミシェがいた。ミシェの肩をガシッと掴む。助けてくれ!
「ミアお、おお、お嬢様…どうなさいましたか…は、もしかして私、何かしましたか!?」
「そうじゃないわ!…はー…はー…ミシェ!!」
「ひゃあい!!」
ミシェはどこかプルプル震えているようにみえるが、そんなことは関係ない。
「お母様を見なかった!!」
「お母様……あ、アンナ様ですね、主様の部屋におられま…」
「ありがと!!」
私は最後までミシェの言葉を聞かずに、走り去っていった
「あの、ミア様が走っていらっしゃるし……私を叱らなかったなんて」
ミシェは後ろで首をかしげていた。
――バンッ
想像以上に、扉を開いた音が部屋に響いた。
「あ、あら、ミアったら、そんな急いでどうしたの…」
「やあ、ミア。今日も朝から元気だね」
ハハハッとおおらかに笑う、美男な父ダニエルと社交界の華とまで呼ばれたアンナお母様があやしげなものをみるように見つめていた。
「そういえば、今日は王太子殿下がいらっしゃるのに、まだ着替えていないんだなぁ」
お父様はのほほんと笑った。
「ミア、準備をしなさい。まったくもう」
お母様がちょっと、怒りながら言った
「お父様、お母様…はー…はー…グリフィスト・レオポルト、様のことなの…ですが」
「ああ、よかったな。お前が王妃になるチャンスだ」
「そうでは、ありません。今すぐ、拒否してください!!私はグリフィスト様にお会いしたくはありません」
と、いうと、お母様は青筋たてて「早く、支度するわよ」と言って私を無理やり引っ張って、着替えさせるために私の部屋に行く
死亡フラグ元凶はごめんなのにーー!!