第7章 鳥籠の少女
リリスの隣にいる。あ、あれは、レイチェル!!
「でもすごく可愛らしいお顔ですよね」
リリスの隣、肩くらいの青緑の髪と緑の瞳をもつおっとりした少女。
はっ、あれは取り巻き2のクリストファ
「顔だけよ、やはりリリス様こそエスト様にふさわしい。いいえ、時期王妃はリリス様」
レイチェルはフンッと鼻をつきだした。
「おやめなさい。リリアンヌ令嬢に聞こえていたら、かわいそうよ」
余裕、意地悪、悪どい笑み。別にエスト様を狙っているわけではないのにどうしてか、悔しい
ワルツの音楽が流れ始め、私達と同じくらいの男女が踊り始めた
「足、踏んづけるなよ」
「きゃあっ!」
強引に腕を捕まれ、ダンスを踊らされる。
「次は右に動くぞ」
指示をしてくれ、私を優しくリードしてくれるエスト様。とても……優しい。
「あんな奴ら、とっとと見返すぞ」
「っ…ありがとう」
そうか、ダンスで見せつけるってこと
「……エスト様、優しいところがあるのね」
「あぁ?んなのねーよ……あるとしたら……お前だけだ」
お前だけだ、という言葉を照れもせず言われて、なんだかにやけてしまうと
エスト様は顔を真っ赤にして鋭い目付きでにらまれた
「様になってお似合いカップルですよ」
クリストファが頬を赤らめ、憧れをみるようにじっと私達を見つめているのがわかった
「ふん!!リリス様が踊ればもっと上手よ」
レイチェルは睨み付ける、リリスは余裕の笑みを浮かべながら扇子を優雅に仰いだ