第6章 双子王子(弟)
「……」
急に黙り混んだグリフィスト様。
これは聞いてはいけなかったのかしら。
「あれは」
話を始めるグリフィスト様。 いいにくそうに目線を下に向けた
「俺は王族でエストのようにフレンドリーでもないから、怖がられて近づかれない」
ふとエスト王子の身勝手な行動を思い出す
あれをフレンドリーというのかしら。
「やはり…なんでもない」
いや、話止められても
「あれは俺の物だ、俺が探す」
それはいままでにみたことないほど真剣なものだった。
不安のまじる横顔は11歳にして、大人の雰囲気をもっていた。
「グリフも変わってるよな。こんな、顔だけ女から貰ったもののどこがいいのやら」
つまらなそうな声はエスト王子から。
「エスト、アレを返してくれないか」
「ああ、ミア達がこの勝負、負けを認めたら」
エスト王子のニヤリとした。人を小馬鹿にした態度、腹立たしい
それでも
「私の負けでいい……から」
エスト王子にバカにされたのは腹立たしいけど、勝負の景品をグリフィスト様の大切にしてくださっているもの、グリフィスト様に迷惑だ
それなら、勝負に負けよう。そしたら返してくれるはず
「ミア」
グリフィスト様が私を心配そうに見ているので、私はグリフィスト様に笑いかけた
「グリフィスト様に迷惑はかけないわ」
あたり前だった。グリフィスト様はこの勝負に無関係なのに、私は私の都合で動いた
「賢い選択だ、俺を謝らせようだなんて考え」
ドスッ!!
ど、どす?
エスト王子が何か言う前に、エスト王子の後ろからなにかきこえた。
エスト王子はいきなりだったためもろにアタックを受けた
犯人は我が家の愛犬アンドリューだ。
アンドリューは私をみるなり、体に飛びかかってきた
「アンドリューくん、そこにあるの?」
「フローラ、何してるの!!」
フローラが走ってやって来る
「……てめぇ」
腰をさすりながら、アンドリューを睨み付けたエスト王子
アンドリュー、気にしない