第15章 スポーツの秋?それとも恋の秋?!( 黄金川貫至 )
じゃあね!とオレの腕をパチンとひとつ叩いて、舞さんは自分のブロックへと戻って行った。
体育祭が終わったら・・・二口さんは、城戸に・・・
じゃあ、オレは?
『あ・・・黄金川君。どうしたの?こんな所でボンヤリして』
「城戸・・・いま、もしかして二口さんと一緒にいた、か?」
バカ!何を聞いてんだよ、オレ!
『えっ?・・・あぁ~・・・えっと・・・うん、まぁ・・・ちょっと呼ばれて・・・』
・・・何で、赤くなってるんだ?
「何の話だ?」
『・・・あ~、ハハッ・・・まぁ、いろいろ?かな』
視線を泳がせながら更に赤くなっていく城戸の顔を見て、オレの胸の奥が騒ぎ出す。
城戸はやっぱり、二口さんの事が・・・?
「城戸・・・」
ー 連絡しまーす!プログラム最終種目の、ブロック対抗リレーに出場する選手の方は、入場門前に集まってください。繰り返します・・・ ー
『あ、ほら黄金川君!集合、かかってるから』
「・・・ッス」
『頑張って、ね?・・・じゃ私もう行くね・・・』
城戸がオレを通り過ぎて歩いて行く。
振り返ると、少しずつ離れていく城戸の後ろ姿が見えて。
それが、急に寂しく思えて・・・
切なくて・・・
オレは思わず走り出した。
「・・・城戸!!」
咄嗟に城戸の肩を掴み、引き止める。
『黄金川君?!集合場所、反対方向・・・』
「城戸!最後のリレー、1位でゴールしたら・・・話したい事がある!・・・聞いて、くれる、か?」
まだ、本気で全力で走ったワケでもねぇのに、心臓がバクバクと音を立てる。
『話したい、こと?』
城戸の言葉に、大きく頷いた。
『うん、分かった。その代わり、絶対に1位でゴールだよ?』
「ッス!!」
『私、いっぱい黄金川君のこと応援するから頑張って!』
「・・・ッス!!!!」
城戸に見送られながら、集合場所までダッシュする。
・・・もう、後には退けねぇ。
オトコ黄金川貫至、腹を括って覚悟は決めた!
あと、やる事は・・・
二「遅せぇよコガネ!棄権かと思っただろ?そしてオレの不戦勝?って?」
二口さんを・・・ぶっちぎって1位でゴールすることだけだ!!
「遅れてサーセン!!」