第5章 ファーストキス
「孝支、おっきくなってる……」
「好きな奴とキスしたら……誰でもこうなるべ?」
自分でもわかっている。
紗奈とキスしただけなのに、俺の下半身は爆発しそうなほどに主張している。
「……ごめん」
「なんで?」
俺は申し訳なくて、身体を起こしながら謝った。
「こんな、キスしただけで元気になるような下品な奴、アイツと変わんねーよな……」
ベットの隅に腰掛け、紗奈から離れた。
「孝支、それは違うよ??」
紗奈も起き上がり、俺の傍までやってくると腕を取り胸に当てた。
「なっ!? ぇっ?? おいっ!!?」
急な出来事に、俺は動揺を隠せない。
「あの人と何しても、気持ち悪いだけだった。でも、孝支は違う。わかる? 心臓、すっごい早いの……孝支とキスして、ドキドキしてるの」
確かに、柔らかい胸の膨らみの奥から鼓動の感覚が感じられる。
「興奮してるのは、孝支だけじゃないってこと……ね?」
頬を赤く染めながら、紗奈はそっと耳打ちした。