第24章 【年上】×【待ち伏せ】
「雨衣さん。」
「はい?」
「さっき会ったのは、偶然なんかじゃなくて、本当は君が俺を待ってたから?」
じ、と見られ、驚く。
知られてしまっていたのか。とほんの少しだけ待っていた事を後悔。
「…はい。ごめんなさい。」
ここまで来てバレておいて嘘をついて隠すのもどうかと思った私は、正直に謝った。
「…」
怒られる。けど、それも仕方無いか。と、覚悟したその時、
ふわり、抱き締められる。
「理由を聞いても、良いかな?」
「……私、蒼依さんが好きです。話したいと思って、待ってたんです。」
顔が熱いから、きっと今の自分の顔は真っ赤なんだろう。
赤い顔が蒼依さんに見られなくて良かった。
「…嬉しいな。雨衣さんに、そう言ってもらえるなんて。」
そして、私から離れると、私の目を見て言った。
「本当は、最初から嘘ついてる事、気付いてたよ。」
「…え?どうしてですか?」
「君が嘘吐く時の癖、知ってるから。」
「癖?どんな…?」
「それは内緒。」
ふふ、っと子供のように悪戯っぽく笑う。
____その瞬間、顔をぐっと近付けさせられて、
唇が重なった。
初めてのキスは、なんだか大人な感じがした。