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色々彼氏 。【短編集】

第22章 【普通彼氏】×【プロポーズ】


「そっか。なら良かった。」

安心したように笑う。
こうして見てると、表情の変化が元気というか、忙しいというか。なんというか。
でも そんな所がやっぱり好きだなぁ、と感じた。

「雨衣?」
「…あ、ごめん。少しぼーっとしてた。最初、どこ行く?」

「あ、俺、最初に行きたい所有るんだけど、良いかな?」
「うん。良いよ。」

こっち、と手を引かれ歩き出す。
空の横顔は、なんだか嬉しそうで、私も嬉しくなってきてしまう。


「今日は楽しかったね。雨衣は…どうだった…かな?」
「…うん、楽しかった。」

本当に、今日はすごく楽しかった。
色んなところで遊んで、いろんなことを話した。

「…その、今日はここに連れて来てくれてありがとう。」
今日のお礼を言うと、空は照れくさそうに笑って、

「ううん、どういたしまして。」と、言った。


「ねぇ、俺…実はまだ行きたい所があるんだ。良かったら付き合ってくれる?」
「うん、行くよ。」

目的の場所は、そう遠くなかった。
遊園地を出て、近くにある階段を上り、上に行くと綺麗な景色が広がっていた。

街の光が見渡せて、すごく綺麗だ。


「雨衣、」
「ん? 」

空の声に気が付いて声の方を見る。
時間的に今は暗いけど、景色の明かりに照らされて少しだけ顔が見えた。

「今日はありがとう。ほとんど俺ばっかり楽しんでたかも、
でも、雨衣から楽しかったって言葉が聞けて嬉しかった。」

「うん。すごく楽しかったよ。」
私の答えに、今度は嬉しそうに、ふわり笑った。


「確かに遊園地も楽しかったけど…でも、今日だけじゃなくて。
毎回 雨衣と過ごせる事が嬉しくて、楽しいんだ。」

「だから、ずっと前から考えてた。」


「雨衣。俺と、結婚してください。」

突然の告白に、驚いて。でも返事をしなきゃ。って、

「…!はい。」

返事をすると 空は安心したように笑った。

「良かった…!雨衣…大好き。ほんと、ありがとう。」

そう言って、ふわり、私を抱き締める。
優しくて、暖かくて、どこか安心する。そんな感覚だった。

途中、空の声が、なんだか震えている様にも聞こえた。
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