第14章 【喧嘩ばかりの幼馴染】×【失恋】
「よ、おはよ。」
憂鬱な朝 。
特別な日だからか顔を少し赤くして 俺に軽く挨拶をする雨衣に、
「はよ、お前…、寝癖付いてるけど、」 と、一言付け足し挨拶を返す。
お前は、
「っな! 、嘘、どこどこ!?」 なんて、驚いて。
本気で信じる様子に笑いを堪えながら、
「っくく…、冗談だよ。」 本当のことを教えて
「 蒼依~!! ふざけんなっ、」 こいつが怒る姿見て 楽しむ日々。
昔は ずっとずっと、続けばいいと。そう思っていたけど
案外その日々は簡単に崩れ落ちてしまって。
「っ…!? う、嘘…。寝癖、付いてた? 」
「はは、付いてないよ。ちゃんと整ってる。 」
「…はぁ… 良かった…。」
今じゃ顔を真っ赤にして、相手とイチャイチャ。
俺の入る隙間なんて、無いくらいで。
「 何か忘れ物? 大丈夫、待ってるね。」
俺にはそんな一面、見せなかった癖に。
いつもしかめっ面で、ブサイクで、怒りっぽくて。
…本当は俺の方が…。
雨衣の事、良く知ってるのに。
本当は良く笑って、可愛くて綺麗で、優しくて。