第11章 ⊿【彼氏の兄】×【看病】
「雨衣ちゃん?入るよ?」
「はい。」
ドアががちゃ、と開く。美味しそうなお粥を持って、お兄さんは椅子に座った。
「…じゃあ…いただきます。」
なんて言って、お兄さんはスプーンでお粥を拾って自分の口へと放り込んだ。
あれ…?
「蒼依…さん?どうしたんですか…んっ。」
言葉の途中、唇に何かの感触がした。と思ったらその後すぐに強引に少し冷めたお粥が口の中に広がる。
「我ながら美味しく出来たと思うんだけど。」
「どう?」
お兄さん…いや、蒼依さんはまだにこにこ笑顔のままで、私に言った。
私は嫌で、怖くてどうしようもなかった。
「…酷いなぁ。…美味しくなかった?」
「別に俺…風邪移されても平気だから。でも…空にバレて大変な事になるかも。」