第9章 【ショタ】×【ヤンデレ】
ぱち、と目を覚ます。
なんだか少し怠く感じる体を上に伸ばそうとすると、言うことを聞かない体と、ここの光景に違和感を感じた。
「お姉ちゃん、おはよ!」
「え?」
ちゅ、と頬にキスをしたその子は、近所に住んでる蒼依君だった。
可愛くて、よく遊んだりしていた。
だからこの場所はなんだか見覚えがある。
「何してるの…?」
私が質問をすると、蒼依君はにっこり微笑んで答えた。
「雨衣お姉ちゃんを他の人に近付かせないために閉じ込めたの。こーすればお姉ちゃんはずっとボクだけのお姉ちゃんでしょ?」
「なんで、こんな事…」
どこか肌寒いこの空気は、ここが家の地下だからなのか。それとも、恐怖からなのか分からなかった。
「だって…お姉ちゃん、ボク以外の子や色んなお兄ちゃんと仲良くしてばっかりから…。」
「そ、それは…。」
仕方ない。とは言えなかった。
言ったら今にも蒼依君が消えてしまいそうな気がしたから。
自分でもよく分からないが、確かにそんな気がした。
「だから…いいでしょ?」
「そんなの…ダメ…っ。」
空腹だったのか、怒る力も出ない。
それに察した蒼依君は、
「待ってて。」
なんて言って、その場から離れた。