第71章 【犬系生徒】×【卒業】
2人きりの教室。
ドキドキしているのを気付かれないように彼に近付く。
「雨衣さん……っ!?」
横目に映った桜が風に揺れる。
突然キスをした私に対して彼は驚いた顔をしていた。
「卒業おめでとう。」
そう伝えると、彼は力の抜けたように笑う。
「ありがとうございます。さよーなら、先生。」
「今からは先生の生徒じゃなくて、
雨衣さんの恋人ですねっ。」
嬉しそうに言って、私に抱きつく。
「大好きです、本当に。」
バレないようにしていたはずなのに、これじゃ多分、ドキドキがバレてしまう。
……まぁ、それもいいかも?