第64章 【浮気相手】×【最低な恋。】
「早く終わらせてよ。」
「……大丈夫だよ、
アイツ酔っ払って寝たら暫く起きないし。」
そう言った時、胸が少し痛んで。
これが恋なんだと思い出す。
昔憧れた恋って、こんな苦い物だった?
昔の自分に憧れない方がいいと言いたくなった。
恋って、もっと嬉しくて綺麗になって。
楽しいものだって信じてた。
「やっぱり辞めない?」
「無理。」
親友が居る罪悪感もあったけど、
どこかで私の家なんだから良いと思っていた。
そして私達は、また繰り返す。
「俺、もう帰るから」
気が付けばもういい時間になっていた。
私の気持ちなんて
全く気付きもしない蒼依は帰ろうとしていた。
知れば知るほどに、なんでこんな人を
好きになってしまったんだろうと後悔するのに、
どうしてか好きなままで嫌いになれないのはどうして?
親友は、蒼依が帰った後も
ぐっすりと眠っていた。
暇になった私はシャワーを浴びる事にした。
シャワーを浴びて上がった頃に、
親友は目が覚めたようだった。
「ごめんね、私寝ちゃってたみたい。」
「ううん。大丈夫だよ。」
「…ってあれ?蒼依は?」
キョロキョロと辺りを見渡して蒼依を探す。
「あぁ、帰ったよ。」
「そっか…もうこんな時間だもんね、
でも今日は本当に楽しかったね!色んな話も出来たし。」
一瞬寂しそうな顔をした後、にっこりと笑った。
「また絶対集まろうね!」
そう言って親友は笑う。
親友が笑う度、罪悪感は増していくばかりだ。
次にまた会うその時に
私達ははいくつ秘密が増えているんだろう。