第59章 【甘々】×【嫉妬】
「……昨日、見ちゃったんだよね。」
「アイツといたでしょ?」
ほんの少し考えたけれど、すぐに分かった。
多分、昔私が好きだった人のこと。
昨日偶然久しぶりに会って話したから。
その時に見ていたんだろう。
「大丈夫だよ。
あの人随分前に結婚したし、もう好きじゃないから。」
ぎゅ、と手を握る力が強くなったのが分かる。
「今は蒼依しか好きじゃないよ。」
そう伝えると、安心したような嬉しそうな顔をする。
「やっぱり手繋いでるだけとか無理。」
突然ベッドの方へと手を引っ張られる。
ぐい、と押し倒されて
あっという間に天井を眺めることになってしまった。
「ずっとずっと、俺だけ見てて?」
折角の休日なのに、今日はなんだか休めそうにない。