第57章 【喧嘩ばかり】×【幼馴染】
「結婚ってさ、したいとか思う?」
「……は?」
最近、
結婚願望が無い若者が増えたとか。
そんな話題をテレビで見た。
だから、何となく本当かどうか気になったのだ。
「何言ってんの?おまえ、」
信じられないものを見るような目で私を見る。
…聞く相手、間違えたかな。
「やっぱ聞かなかったことにして。」
「やだ。なんで、」
なんかいつもよりも食い付いてくる気がして
聞かなきゃ良かったと後悔。
「結婚しなくていいって思ってる人が増えたって
テレビで見たから…」
「だから聞いたの?」
頷くと、蒼依は吹き出して笑った。
「そこまで笑う?」
「や、だって面白いし。」
しばらく笑った後、じっと私を見つめて言った。
「…で?自分はどうなの、」
「えっ。」
正直自分のことは考えてなかった。
ぼんやりと考えてみる。
「相手が見つかればしたい…かも、」
「ふーん…、どんな奴」
「?どんな、って…」
どんな相手かなんて。普通に考えて分かるはずない。
誰だって運命の人が分かれば苦労なんてしない。
好きなタイプだって……、
「顔、赤くなり過ぎ。なんか想像した?」
―なんで、
ニヤニヤとこっちを見てくるこの男が、
思い浮かぶんだろう。
なんか、絶対おかしい。
「してないからっ、!」
どうしちゃったんだろ、私。
ああ、そっか。多分今目の前に居るからだ。
だから浮かぶんだ。