第51章 【大人?】×【時々子供】
「雨衣からキスしてくれたらいいよ。」
「え、?」
思わず変な声が出る。訂正してよとか言うと思ったのに。
「してくれなきゃ別れるかも。」
「!」
そういうズルい手使ってくる所とか、やっぱり子供っぽい。
「わかったから」
乗る私も私なんだけど。
ぐっと顔を近づけて私を待つ。
「はやく、」
そうやって私を急かす。
ゆっくり近付いてそっと触れる。
「これでいい?」
「…だめ。足んない。」
強く抱き締められて、少しだけ苦しい。
「……勉強っ、するんじゃなかったの?」
したくなかった勉強の話持ち出したりして。
でも、空は離す気がないみたいで…
「勉強なんていつでも出来るよ。」
なんて言ってる。
これじゃさっきと逆だ。
みんなの人気者になったら嬉しいけれど、こういう所を見るのは私だけがいい。
そう思ってるなんて知られたら、もっと離してくれなくなりそうだ。