第51章 【大人?】×【時々子供】
「……勉強ってなんのためにするんだろ…」
只今彼氏と2人、勉強中。
大好きな人と居られるのは嬉しいけれど、勉強はやっばり嫌いだ。
確かに必要な事かも知れない。でも今現在の私には要らないと思う。
「ほら、そんなこと言わない。頑張ったらきっといい事あるって。」
そう言って、ね?と私を見る。
そう言われると、少しやる気になってしまうから不思議だ。
空は私でも分かるように勉強を教えてくれる。
きっと教えるのが得意なんだろう。
「空って、先生とかになれそう。」
「そうかな?」
もしもそうなったらきっと人気者になるだろう。
そんな事を1人考えて、頬が緩む。
それは、空にも気づかれていたようで、
「どうかした?」
そう言って私を見ては、小さく笑った。
「先生になったら生徒達の人気者になるんだろうなって。」
「…もしそうなったら、嬉しい?」
じ。っと見られる。
求められている答えが分からず目を逸らした。
「…嬉しいよ。」
そうなったら、凄く嬉しい。
ちら、と空を見ると少し不満そうな顔。
もしかして、求められてる答えと違ってたかな。
「…妬かないの?」
「え、」
空の言葉に驚いて言葉が出てこない。
そんなこと考えてなかった。
驚く私に構わず、空は言葉を続ける。
「恋人が人気者の先生とか…俺だったらやだ。」
そんな事を真剣に言う姿がなんだか面白くて、驚いていたのに笑ってしまった。
いつもは穏やかで大人びてるけど、こういう所は子供っぽいなぁ、なんて。
「子供っぽいって思ってる?」
まだ不満そうな顔。1度機嫌を損ねると、直すのが大変だったりして。
「思ってない思ってない。」
「嘘だ。」
首を振って否定するも、あっさり嘘だと見破られる。
「……うん。」
仕方なく正直に言う。
「結構傷付くなぁ。」
「ごめん。」
「……じゃあさ、」
何を言われるのかと待ってみれば、言われたのは想像してなかったもので…