第47章 【浮気性】×【喧嘩】
夜だと言うのにガヤガヤと煩い都会も、少し歩けば静かな道はある。
その静かな場所で1人、俺は立っていた。
その前では目に涙を浮かべた彼女が俺を睨んでいる。
「最ッ低…蒼依なんて、大嫌い。」
彼女はそう言うと、走ってどこかへ行ってしまった。
さっき彼女に叩かれた頬が痛む。
数分前、俺が他の子と会っているのを彼女に見られてしまった。彼女は、静かに怒っていた。
こんなはずじゃなかった。なんて、今更遅い。
俺が彼女を怒らせたのは、今回が初めてじゃない。
いつもこうして彼女を怒らせていた。でも、あそこまで言われたのは初めてだった。
今までも全部俺が悪くて、彼女に甘えて、彼女を我慢させ過ぎてしまっていた。
「雨衣…」
今の俺に、彼女を追い掛けられる自信は無かった。
明日には約束がある。その間はせめて、彼女の事は忘れなきゃ、