第46章 【真面目】×【喧嘩】
食事が終わりお腹も満たされ、喫茶店を出る。
なんだか今日はカップルが多いような。喫茶店を出ても見かける。
1人寂しくなって、携帯の電源を付ける。
―やっぱり謝らなくちゃ。
「……わ、」
着信履歴を確認すると、さっきよりも増えていた。
見ている間にもまた、携帯が震える。
怖い。でも、今度こそ出ないと。
「もしもし。」
「…雨衣?」
いつもの声、
「…良かった。このまま出ないかと思っていた。」
でも、少しだけ、違う。
安心したような、声。
「今からでも会えないだろうか。…会いたいんだ、雨衣に。」
そんな事を言われたのは、初めてで。
その場には居ないのに、勢いよくその場で頷く。
「!私も、会いたいです。」
待ち合わせ場所を告げられると、私は走った。
朝の気分とは違い、今は会いたくて仕方なかった。
場所は、蒼依さんの家だった。
蒼依さんの家には、前に教えてもらったことがある。だから、場所は分かる。
道も、分かり易かったから覚えている。
「……はぁ、はぁ…ここで合ってる…よね。」