第1章 はじめて <フェンリル>
「ぁんっ…」
フェンリルの指が動く度に、声が漏れる。
痛い中に、甘い快感が走って、お腹の奥がむずむずしてくる。
「悪ぃ、我慢できない」
「ふぇ…?」
そう言うと、フェンリルは指を抜いて、変わりに顔をわたしの蜜口にうづめた。
「えっ!あっ、あんっ」
フェンリルが舌をわたしの1番敏感な部分に這わせる。
そのまま吸ったり上下に擦ったりで、快感がわたしの体を襲った。
「やめ…も、もぅ…んっあっ!」
快感が頂点に達する。
息が荒くなって、なにも考えられなくなった。
顔を上げてわたしを見たフェンリルの唇にわたしの愛液がついてきらきら光っている。
その表情がなんともいえないくらい色っぽくて、わたしはさらにドキドキしてしまった。
「いいか…?」
フェンリルが自身のよくぼうをわたしの蜜口にあてがう。
わたしは小さく頷いた。
それと同時か、少し遅くか、一思いに貫かれる。
「んっんっ…ふぁあっ…」
「っく…きついな…」
フェンリルの表情にも余裕がなくなっていくのがわかる。
フェンリルが腰を振る度に、甘い快感が体を貫いて、声が幾度なく漏れた。
「ぁんっ…はうぅっ…」
はじめてなのに。
痛みなんかもう、忘れた。
強い快感だけがわたしを包み込む。
律動がだんだん早くなって、早くなって、わたしは勝手にひとりで達していた。
それでも律動が止まることはなく、フェンリルが達するまで、何度も繰り返された。
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「…起きた?」
目が覚めると外は明るく、フェンリルもいつも通りだった。
「あ…わたし、もしかして気失ってた…?」
「そんなによかったならまたしてやるよ」
フェンリルが嬉しそうに笑う。
わたしは恥ずかしくなってフェンリルから顔を背けた。
「意地悪言わないでっ…!」
また、フェンリルが笑う。
その笑顔を見て、なんでもよくなるくらい、幸せに感じた朝だった。