【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから
第1章 輝いている彼
新幹線に乗っていた25分間はあっという間に経って、東京駅に着いた。今日は休日なこともあって、人がたくさん行き来している。私の地元とは大違いだ。
「ここから10分くらい歩くんだよね!」
「うん」
私は手に持ったスマホからGoogleマップのアプリを開いて、目的地『東京国際フォーラム』を検索した。経路と書かれたところをタップして、道案内が開始される。
「まだ物販始まってる時間じゃないけど……並んでないかな?」
「Twitterで誰か、今の状況を呟いてる子がいると思うけど……」
「そうだね! 見てみる!」
私のスマホでGoogleマップを見て歩きながら、美雪のスマホでTwitterを開いて現地の状況を確認する。美雪は検索欄に『カルライ 物販』と入れて、検索をかける。すると、次から次へとツイートが更新されていく。
「まだ物販は始まってないけど、結構並んでるっぽい! さっき、朝の7時から並んでる子もいるってツイート見かけた!」
「早!? そんな朝から並んでるの!?」
私は隣で並んで歩いている美雪のスマホを覗き込む。美雪は私にも見えるように画面を傾けてくれる。
そこには、『物販の最後尾に到着! まだ物販が始まる時間じゃないけど結構みんな並んでる……』と書いてあった。ツイート時間は朝の7時頃。今はあと少ししたらお昼になる頃だから……何時間待ってるんだ、この人……。