rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第39章 I'm full.
ナッシュは素直に、巣の中でどよめき始めていた、溜まっていたものを出させて欲しいと思い、それを名無しに募った。
まだ眠そうだった彼の瞳は、話を聞き終えた名無しが完全に目覚めさせる。
すると寝室の空気は一瞬で、より色艶めいたものへと変わっていった。
「っ……ナッシュ…」
「いいからさっさと来い……服なんざ、オレが突きながら脱がしてやるよ」
こんなに嬉しい想いの行き違いはないだろう。
鼻で笑ってしまうほど、ナッシュは日常でよく見せる表情を浮かべていた。
所作に走った名無しの方が先に落ちていたのだ……楽しいであろう口淫を止め、彼女が自らナッシュに跨る。
ケットを完全に掃いきり、ナッシュの厚い胸元に両手をついた名無しは、紅潮した頬を晒し、自分の下着を彼が捲り、その中の泉に肉を沈めてくれる瞬間を心待ちにしていた。
「……ッ…ふ、…ァ…」
「ハッ……こんな朝っぱらから…ん、勢いよく発情りやがって。フフッ」
「ッ…ナッシュ……んっ、ん……」
呼応してもらえたことに覚える安堵。
でなければ女性である限り、どんなに淫らという自覚があろうとも、自ら足を広げることは未だに恥ずかしかった。
跨ることで下着をかみ、密着を許したナッシュのそれは、口淫で感じたときと同様にとても熱く思えた。
名無しは自分が傾かせたナッシュの陽物を再び天へと向けるべく、一瞬腰を浮かして膝を震わせる。
考える時間はあまりない……恥ずかしい気持ちも勿論残っている。
けれど名無しは、結局は自分で下着を捲った。
彼女もまた、そこにある渇望したものを飲み込みたかったゆえに――。