第4章 突然表れた風来坊は同士
私はその日記を手に取り、一通り見てこういった。
「何がしたいの?」
すると雛斗くんは私に
「七華ちゃんは後々になって自分の気持ちに気づいた。だから、これを湊にしられたら嫌われるとか思ってるんじゃないかなって。俺はこれを湊に見せようと思ってる。」
といった。
私は思わず「やめて!絶対に見せないで。」といってしまった。
「ふーん?」
いつもと違ってすこし嫌な感じの雛斗くん。
カランカランと氷の入ったグラスをストローで掻き混ぜながら私にこういった。
「ならさ、隠してあげるから俺と付き合ってよ?付き合ってくれるなら俺は七華ちゃんに味方するよ。」
「なんで?」
思ったことがそのまま口からでた。
何故、私なんかと付き合う必要があるのかわからなかった。
すると
「俺はさ、昔から七華ちゃんが好きだった。気づいたのは小学一年の時かな。けど、それからすぐ俺は引っ越すことになった。一見、ただの初恋だと思うよ。けど、俺はそうはいかなかった。いつまでたっても七華ちゃんが好きだった。」
という。
正直びっくりした。そんな言葉が出てくると思わなかったから。
続けて雛斗くんはしゃべりはじめる。
「中学の時、読者モデルにスカウトされた。それで思ったんだよ。もしこれで少しでも有名になれば、自分から七華ちゃんが寄ってきてくれたりしないかなって。会うきっかけ作れないかなって。それで俺は読者モデルになった。けど、効果はなかった。それでもう会えないだろうってイラついて、海外に留学した。もちろん、撮影の時は帰ってきてたけど。そんなことしてるうちに、中学は卒業。進学の話になった。その時湊が言ってたの聞こえたんだよ。七華ちゃんと同じ学校いってるって。だから俺は編入手続きをあの学校でした。これで、わかった?俺が七華ちゃんのことをどれだけ好きか。女の子取っ替え引っ返してたのも変わりを探したからだよ。」
すべてがわかってしまった時、自分に対してすごい罪悪感を覚えた。
私の存在はどれだけ人を振り回していたのかを。